みりん

みりんは酒であり、みりん類似調味料は酒ではない、”類似調味料”の方にはアルコールが含まれていなかったり、含まれていても不可飲処置(食塩添加)が施されている。

この違いを理解して使用しよう。類似調味料だからと言って嫌悪せずに付き合っていこう。

あえてもう一度言う。みりんは酒である。
そう、正直作ろうと思えば作れてしまうが、作ってしまったら酒税法でしょっぴかれるから注意しよう。

分類

分け方はざっくりとみりんかそうでないか。アルコール(1%以上)を含むか否かである。

  • みりん
  • みりん風調味料
  • 発酵調味料(みりんタイプ調味料)

上からみりん、アルコールを含まない(1%未満)みりん類似調味料、アルコールを含むみりん類似調味料である。

製造方法(簡易的)

みりん

  • もち米、米麹、焼酎(アルコール)を混合。
  • 熟成
  • 上槽、ろ過、澱引き
  • 火入れ

この作り方を見て思ったかもしれない。自分でも作れると。
しかし作ったことが発覚したらしょっぴかれるのでやめておこう。

みりん風調味料

みりん風はみりんに似せるため、様々なものを混合している。
みりんよりも自由であるため原料については各商品の原料表示を見ていただきたい。

大まかに

  • 糖類、アミノ酸類、有機酸類などを混合する。

みりんとの大きな違いはアルコールを含まないが故に糖類を多く含む。
糖類を多く含む理由は防腐処置の一環なのだそう。
もちろん美味しさを損なわない程度の濃度なのだろう。

発酵調味料(みりんタイプ調味料)

  • 主に澱粉質物、糖類、果汁などを原料としたもろみを使用して発酵させたもの。

他の物との大きな違いは不可飲処置として食塩が添加されているところだ。
アルコールを含むにもかかわらず酒類に含まれないのは、不可飲処置のおかげだ。

製造方法(詳細)

みりんの作り方のみ詳細に記載していく。
類似調味料の方は各社バラバラだろうし、特定が難しいと考え、不記載とする。

原料の選定

  • うるち米

米麹作成に使用。精米歩合は80%程度。
普段食している白米は90%以上。清酒(大吟醸)は50%以下。

  • もち米

精米歩合は85%程度。

ほかにも焼酎と醸造アルコールのどちらを使用するのか、麹菌はどのような性質のものがいいのか選定する必要がある。

製麹

精米した”うるち米”を水に浸漬し、蒸したのち、種麹を接種する。

一般的に種麹の調達は業者に任せる。作りたいみりんに合わせて発注する必要がある。
混合して使っているところもあるらしい。

蒸米を広げ、種麹をふるい等に入れ、振りかけて接種する。
熱の過上昇や結露水の管理等を行う。

仕込み

米麹と蒸したのちに放冷したもち米、焼酎または醸造アルコールの3つを混合し、熟成させる。

仕込み完了後の熟成中、アルコールの揮散防止のために密閉して熟成させる。
表面の乾燥防止と雑菌汚染防止のために攪拌する必要がある。

上槽、ろ過、澱引き

もろみの固液分離をし、不純物を取り除き、加熱をし、殺菌、酵素失活を行う。

  • 麹菌

Aspergillus

ひとこと(ひとこと?)

みりんは酒税法の規制がなければ早速でも作ってみたいと思うくらいに家でも作れそうと思ってしまった。

もちろん各企業の努力は計り知れない。
ここまでの材料の少なさで色を出しつつ、料理の邪魔をしないような色でなければならない。

みりんは嗜好品としての一面は弱く、調味料としての一面が強すぎる。ゆえに料理の邪魔するような特徴は出しにくいだろう。
しかし、昨今の嗜好の多様性に伴い、Aspergillus oryzaeではなく、Aspergillus luchuensis mut. kawachiiを使用するところもあるようだ。

みりんの魅力は調味料としてだけではない。
みりんが主役になれる日も来るかもしれない。
酢が飲料として流行ったのと同様に。

文献

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