魚醤

ナンプラーやしょっつる、ガルム等の魚醤たち。少なくともどれかは聞いたことはあるであろう。日本において積極的に使用されることが少ないので苦手な人もいるだろう。そんな魚醤の作り方とそれに関わる菌を紹介しようとする。

分類

製法に大きな違いはなく、主に地域や原料による違いの方が多いと感じる。

  • 日本三大魚醤
    しょっつる(秋田): ハタハタが原料。
    いしる・いしり(石川): イカやイワシが原料。
    いかなご醤油(香川): イカナゴ(コウナゴ)が原料。
  • ヌクマム(ベトナム): 主にカタチイワシが原料。
  • ナンプラー(タイ): 主にカタチイワシが原料。
  • ガルム(古代ローマ): 古代地中海世界の魚醤

製造方法(簡易的)

魚と食塩(+α)を混ぜて熟成。熟成後抽出し完成。

製造方法(詳細)

代表して日本三大魚醤の作り方を紹介しよう

しょっつる(秋田)

ハタハタを原料に選択する。原料のハタハタに対して 30%の食塩を基本としている。常温で2年以上漬け込む。その後、煮沸、濾過、瓶詰を行う。他にも麹を用いる方法や途中で浸出液を分離した後に再度合わせる方法等いくつかの製法がある。

いしる・いしり(石川)

「イワシいしる」はイワシの身を、「イカいしる」はイカの内臓を原料とする。原料に対し20~22% 程度の食塩を加える(24% 以上というデータもある)。発酵熟成期間は一般に1~3年。タンクの最下部から清澄なエキスを回収し、煮沸、濾過、瓶詰を行う。

いかなご醬油(香川)

いかなご(コウナゴ等の異名あり)を原料とする。原料に対し約33% (1/3)の食塩を加える。6ヶ月上熟成させる。その後、煮沸、濾過、瓶詰を行う。

乳酸菌
Pediococcus
Tetragenococcus

糸状菌
Aspergillus

細菌
Micrococcus
Bacillus
Moraxella
Staphylococcus
Aerococcus

古細菌
Halobacterium

ひとこと(ひとこと?)

魚を自己消化と菌の力で分解しているため、アミノ酸が多い。つまりは旨味を多く含んだそんな魚醤。塩分濃度は大抵醤油より高いので、気を付けながら少しずつ何かに添加して試してほしい。癖が強い物も多いのでほんとに少しずつ。私も魚醤が主役の味付けのもので”なければ”美味しく頂ける。パクチーもメインでなく、少量であれば大丈夫な人がいるように魚醤もそうであると考える。私がそうだから。

文献

  • 塚本 研一, 杉本 勇人, しょっつるの製造技術改良と用途開発研究, 秋田県総合食品研究センター報告 Vol.19, 49-56
  • 森 真由美, 小栁 喬, 石川県能登の魚醤油「いしる」,日本海水学会誌70 巻5 号, p. 295-302
  • 佐藤 正美, 魚醤 瀬戸の魚醤油, いかなご醤油について, 日本醸造協会誌88 巻 2 号, p. 135-139
  • 小泉武夫, 発酵食品学, 株式会社講談社, 2012
  • 北本勝ひこ, 醸造の事典, 株式会社朝倉書店, 2021
  • 北本勝ひこ, 発酵醸造学, 株式会社朝倉書店, 2022
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