世界最古の調味料のひとつとされ、日本の調味料でも「す」を担当する。

酒のある所に酢あり。
つまり世界中のアルコールが作れる環境下であればどこでも作れる。
ゆえに人類と切っても切り離せない調味料なのだろう。

大まかな分類

まず断っておくと、酢は世界中で生産されているため、分類が困難である。

よってわかりやすい原料での分類をメインに記載する。

  • でんぷん質(穀物やイモ類等)
  • 果実
  • 酒粕

それぞれ有名どころで米酢、ワインビネガー、もろみ酢といったところだろうか。
他にも混ぜ物をした合成酢といったものもある。

他の分類としては発酵法による分類があるが、よほどこだわりがある人以外は気にしなくてよい分類である。

  • 表面発酵:放置
  • 通気(深部)発酵:液中に通気する
  • 連続発酵:空気と液体を混合する
  • (速醸法):日本でほぼ使用されないので省略

製造方法(簡易的)

何らかのアルコールが存在しているものに酢酸菌を接種し、酢酸発酵させる。

はっきり言うとこれ以下でもこれ以上でもない。
よってここから先は特徴的な酢の作り方を記載していく。

甕酢(壺酢)

一般的にアルコール発酵が終了したものに酢酸菌を接種することで酢酸発酵をさせるが、甕酢は麹の糖化から酢酸菌の酢酸発酵まで一気通貫して一つの甕壺の中で完結するというのだ。

  • 蒸米、米麹、水を甕壺に投入し、振り麹を表面に撒く。
  • 放置

この放置している間に麹菌の糖化酵素により糖化が起こり、生成された糖を乳酸菌や酵母が有機酸やアルコールに変換し、生成されたアルコールや糖を酢酸菌が酢酸などの有機酸に変換するのだそうだ。

甕壺の中で清酒と同様に並行複発酵が行われている。是非ともこの並行複発酵の中で行われている菌達の動きを見てみたいものだ。
生育曲線はどうなっているのか、そしてどうやってバランスを保っているのか。気になる。

バルサミコ酢

ここでは軽くしか製法を記載できないと考える。
なぜなら熟成の有無や、原産地呼称に守られた作り方やそうでないものなど多種多様だからだ。

よって簡単に分けて解説していく。

バルサミコ酢(特に記載なし)

ワインビネガーに糖類を混合したものでもいい。

バルサミコ酢(IGP表記)

法律が絡んでいるのでこんなサイトではなくきちんとしたところを参照してね。

農林水産省 “指定の公示について(指定番号第29号)”
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/designation2/29.html(参照日2024/12/01)

上記にはIGP表記のあるバルサミコ酢の定義が書いてある。
本物はイタリアのものを参照してほしいが、日本語の方がわかりやすいので、こちらを掲載。
DOP表記よりは緩いがきっちりと決まっていることがわかる。

バルサミコ酢(DOP表記)

法律が絡んでいるのでこんなサイトではなくきちんとしたところを参照してね。Part. 2

農林水産省 “指定の公示について(指定番号第30号)”
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/designation2/30.html(参照日2024/12/01)

上記にはDOP表記のあるバルサミコ酢について書かれている。
本物はイタリアのものを参照してほしいが、日本語の方がわかりやすいので、こちらを掲載。
厳しい条件を乗り越えて製品化されていることがわかる。
この条件を見ると値段が高いのも頷ける。

麹菌、酵母は省略

  • 乳酸菌

Lactobacillus属,Pediococcus

  • 酢酸菌

Acetobacter属,Gluconobacter属

ひとこと(ひとこと?)

IGP表記のバルサミコ酢は高級路線帯のスーパーとかに行けば売っているのを見たことがあるけど、DOP表記のバルサミコ酢は見たことがない。
通販は売っているとして、イタリア食材スーパーにでも行けば売っているのだろうか?
ぜひ食してみたいものだ。60年ものとか今日日ブランデーやウイスキーでも見かけないからね。

文献

北本勝ひこ,発酵醸造学,株式会社朝倉書店,2022

酢酸菌研究会,酢の機能と科学,株式会社朝倉書店,2012

小泉武夫,発酵食品学,株式会社講談社,2012

農林水産省 “指定の公示について(指定番号第29号)”
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/designation2/29.html(参照日2024/12/01)

農林水産省 “指定の公示について(指定番号第30号)”
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/designation2/30.html(参照日2024/12/01)

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