鰹節(他の節も含む)

日本の食の中で主役に挙げられることは少ないが、結構な頻度で登場する”出汁”。
その中心を担うことの多い鰹節。

中心を担うといったが、私は鰹節から出汁を取ることがほぼ無い。
顆粒出汁や液体の出汁を使用している。科学の力って素晴らしいね。

分類

分類は原料と製法、削り方で分類されることが多い。
部位による分類もある。

  • 原料- 鰹節、鮪節、鯖節、鶏節等
  • 製法- 枯節、荒節、本枯節、裸節、赤むき
  • 削り方- 薄削り、厚削り、糸削り、破砕、粉末
  • 部位- 雄節、雌節、亀節、本節

何に使用するか?どう使用するか?で選択すべき状態が変わる。
いやまあ、どれも美味しいから、こだわらなくてもいいか?そんなことない?

製造方法(簡易的かつ代表的)

  • 原料を適切に処理する。
    内臓や頭を取り、身を4分割する。
  • 煮熟
    煮籠に丁寧に詰め、長時間じっくりと煮熟する。

  • 骨抜き
  • 水抜き・焙乾
  • 修繕・整形
    煮熟肉と生肉を混ぜ合わせたもので傷を修繕する。

  • 間歇焙乾(かんけつばいかん)→荒節の完成
  • 削り→裸節の完成
    カビ付けのために表面のくん煙成分を削り落とす。

  • カビ付け
  • 天日干し
  • カビ付け
  • 天日干し→枯節の完成
  • カビ付け、天日干しの繰り返し→本枯節の完成。

製造方法(鰹節の詳細)

生切り(原料処理)

カツオは頭を落とし、内臓をとり除き、水洗いしたあとにおろす。
血合い部分を境に背節(雄節)2本と腹節(雌節)2本の節が作られる。
半身で鰹節を作る場合もあり、亀節という。

籠立て

生切り後のカツオは、煮籠に丁寧に並べていくが、この作業は熟練の技であり、型崩れしないようにしている。
籠立ての作業は、原料の品質を最終確認する役割もあるそう。

煮熟

籠立て後の煮籠は沸かない程度の湯で60~90分ほど煮熟する。
温度や時間はカツオのサイズ、鮮度に応じて職人が経験で決定しているそう。
沸点まで温度を上げないのは、気泡により節が煮くずれしてしまうからである。
長時間じっくりと煮熟することで、上質な鰹節ができあがるようだ。

骨抜き

煮熟後、冷まし、身くずれを防ぐために水槽に入れる。
その中で不要な部位を取り除く。産地によっては水を使わない方法で骨を抜くそうだ。
次の工程で身くずれを起こさないため、そして仕上がった際にできる皮のシワで鰹節の品質を判断するために、皮をはぎ取らずに残す。

焙乾

燻しと熱をもって乾燥させる。
骨抜きを終えた節は、水分がと鮮魚とほぼ同じ量を含んでいるため、
堅い節に仕上げていくために乾燥させていく。
最初に行われる焙乾を「一番火」といい、「二番火」以降とは区別して「水抜き焙乾」と呼ぶそう。

修繕、整形

一番火の後、骨抜きなどで傷がついた部分を修繕。
型崩れしたまま次の工程に進むと、そこから身割れがおきたり、
損傷が大きくなったりすることがあるので、それを防ぐための作業である。
煮熟肉と生肉を、で混ぜ合わせたものを使って修繕していく。

間歇焙乾(かんけつばいかん)

修繕を終えたものをさらに焙乾する。
一気に焙乾すると表面が乾くだけなので何度も休ませながら、繰り返し行う。
この作業で水分は約20%まで低下し、焙乾の終わった節の表面はくん煙成分に覆われて黒くなる。
この段階の物を荒節や鬼節という。

削り

焙乾工程を経たものを半日ほど天日干しをし、2~3日放置すると表面が湿気を帯びて柔らかくなる。
そして形を整え、カビが繁茂しやすいように表面に付着したタール分や焙乾中ににじみでた脂防分、くん煙成分を削り落とす。
この段階の物を裸節や赤むきという。

カビ付け、天日干し

良質な鰹節のカビを表面に付着させ、徹底管理された部屋で菌を増殖させた後、天日干しをする。
以後、これを繰り返す。
JAS規格に則ると2回以上繰り返したものが枯節。
本枯節=枯節ではあるが、二つを分けている企業も多くある。
その分け方は、よりも多くカビ付け、天日干ししたものが本枯節としていることが多い。

削り節

前項で完成しているのだが、削り節についても紹介。

  • 薄削りは厚さ0.2mm以下。
  • 厚削りは厚さ0.2mmを超えるもの。
  • 糸削りは糸状又はひも状に削ったもの。
  • 砕片は薄削りを破砕したもの。
  • 粉末は粉末状にしたもの。

Aspergillus glaucus (Eurotium herbariorium)

Aspergillus pseudoglaucus (Aspergillus repens)

上記2種を含むクサイロカビ群

ひとこと(ひとこと?)

私が節を使うときは出汁取りとかではなくて、食材として使うことが多いような気がする。
粉末で粘度上げたり、ゴーヤと合わせたり。

旨味を取り出すというよりかは、旨味を喰らっている。

話が変わるが、鰹節も発酵食品であることは知っていたものの、
まさかAspergillusだとは思っていなかった。
そう、味噌を作ったり、清酒を作ったりするあの子達の系統だったとは…。

まあ、属が同じなだけで種は全然違うものなんだけどねえ。

文献

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