日本の異常な食品の一つ。誉め言葉である。
フグは海洋性毒素の一つテトロドトキシンをため込む傾向が強い。
そして基本的に内臓を中心にため込む。
つまりこの食品は毒の集合体を食するわけだ。
その他の魚の漬物(なれずしやふなずし等)があることから
フグの漬物があっても不思議でないと感じるが、
何故わざわざ毒部分を漬けたのであろうか?
というかなんで食った?
実際に食べた感想としてこの意見は変わらなかった。
ちなみにテトロドトキシンの解毒に関わる発酵が
フグの卵巣の糠漬け中で起きているという決定的な結果は
得られていないようだ。(2026/08/24現在)
製造方法
- 原料の塩漬け
原料であるフグの卵巣を30 % 以上の塩で漬ける。
期間は1年程度 - 糠に漬ける
塩漬け済みのフグの卵巣と少量の麹、イワシの塩蔵汁を一緒に糠に漬ける。
期間は2, 3年
菌
- 乳酸菌
Lactocacillus plantarum
Tetragenococcus 属 - 酵母
Pichia 属 - 細菌
Haloanaerobium 属
Halomonas 属
Corynebacterium 属
Staphylococcus 属
ひとこと(ひとこと?)
怖いもの見たさでかつて食べたものである。当時も毒抜きの経路がわかっていないことを理解して食していたが、改めて調べてみると毒抜きというよりは毒薄め?の表現の方があっているような気がしている。
安全が確保されて流通していることから安心して食べられるものであることであるので、皆さんもぜひ食してほしい。
個人的にはお茶漬けのようにして食べたのが好みであった。
文献
- 小沢 千重子, フグ卵巣ぬか漬けの毒性, 食品衛生学雑誌24 巻 3 号, p. 258-262_1
- 小沢 千重子, アルカリ添加が塩漬け中のフグ卵巣の毒性に及ぼす影響, 食品衛生学雑誌24 巻 3 号, p. 263-267_1
- 小林 武志, 木村 凡, 藤井 建夫, フグ卵巣ぬか漬け貯蔵中における毒性変化, 食品衛生学雑誌40 巻 2 号, p. 263-267_1, p. 178-182_1
- 小林 武志, 木村 凡, 藤井 建夫, フグ卵巣ぬか漬けの微生物によるフグ毒分解の検討,
日本水産学会誌69 巻 5 号, p. 782-786,853 - 小泉武夫, 発酵食品学, 株式会社講談社, 2012
- 小泉武夫, 超能力微生物, 株式会社文藝春秋, 2017
- 北本勝ひこ, 発酵醸造学, 株式会社朝倉書店, 2022