世にも珍しく,,,ではないかもしれなが、珍しい酒の一種である。
なぜならこの酒は動物原料の酒である。
酒は基本植物原料である。蜂蜜酒は植物原料(昆虫が収集)とする。
ケフィアやクミス、馬乳酒などがあり、一つは聞いたことがあるかもしれない。
分類
どの哺乳類原料を使用しているか。蒸留するかしないか。だけであると思う。。。
ちょっと資料が少なくて。。。
製造方法
あらかじめ菌が付着したものに冷却した新鮮な乳を注いで適宜攪拌しながら発酵。
白ワインを入れたり、他の植物を入れたり、馬乳酒に浸して乾燥させた馬の腱を入れたりするものもある。
発酵容器は皮だったり、ポリ容器だったり、胃だったり、陶器だったり様々である。
菌
乳糖を発酵できる酵母やアルコール生産できる乳酸菌が特に主張しているが、非常に多種多様な酵母と乳酸菌が活躍しているようだ。
- 酵母
Kluyveromyces属,Candida属,Saccharomyces属,Dekkera属,Kazachstania属,Debaryomyces属,Pichia属,Issatchenkia属,Torulaspora属,Yarrowia属
- 乳酸菌
Lactobacillus属,Lactococcus属,Leuconostoc属,Streptococcus属,Enterococcus属,Pediococcus属,
ひとこと(ひとこと?)
蒸留しないタイプの馬乳酒は、馬乳自体がビタミンCを含むうえ、乳酸菌がビタミンCを生産することでは多量にビタミンCを含むそうだ。
ビタミンが足りない遊牧民には重要な栄養源だったのだろう。
さらに、免疫賦活作用や血清コレステロール低下作用があり、保存食や野菜が少ない偏った食生活を整えるのに一役買っていたのだろう。
日本での馴染みが薄いせいか、所有している書籍で足りずにJ-STAGEにお世話になった。非常にありがい。
文献
- 石井 智美, 菊地 政則, 高尾 彰一,中国内蒙古自治区のChigoからの乳酸菌と酵母の分離と同定,日本畜産学会報,68 巻 (1997) 3 号
- 石井 智美,馬乳酒に関する微生物学的知見と機能性,日本醸造協会誌,97 巻 (2002) 3 号
- 石井 智美,内陸アジアの乳酒に関する微生物学的知見と機能性,日本調理科学会誌,34 巻 (2001) 1 号
- 烏力吉徳力根, 池田 裕美, 濱田 千恵, 吉村 諭史, 小野 夏彦, Thognemekh Bolormaa, 蘇 敦, 宮本 拓,モンゴル地域の馬乳酒における乳酸菌分布について,ミルクサイエンス,62 巻 (2013) 3 号
- 渡辺 幸一,モンゴルの伝統的発酵乳(アイラグおよびタラグ)中の乳酸菌および酵母の多様性,日本乳酸菌学会誌,22 巻 (2011) 3 号
- 宮本 拓,世界の発酵乳とそれらの微生物フローラ,ミルクサイエンス,55 巻 (2006) 4 号
- 越智 猛夫,乳酒,日本醸造協会誌,93 巻 (1998) 3 号
- 小泉武夫,発酵食品学,株式会社講談社,2012
- 小泉武夫,角田潔和,鈴木昌治,酒学入門,株式会社講談社,1998